第63回十大新製品賞・喜びの声

(2021/1/27 05:00)

日刊工業新聞社は「2020年(第63回)十大新製品賞」18件を選定した。日本の国際競争力強化やモノづくり産業の発展に貢献する製品が対象。今回はコロナ禍で贈賞式を中止したが、紙上で喜びの声を紹介する。

祝辞

「高い技術」社会に貢献

文部科学省科学技術・学術政策局長 板倉康洋氏

「2020年(第63回)十大新製品賞」の贈賞に当たり、お祝いの言葉を申し上げます。各賞を受賞された皆さま、誠におめでとうございます。日立製作所の「生体認証統合基盤サービス」をはじめ栄えある賞を受賞された製品は、いずれも高い科学技術に裏打ちされ今後の経済社会の発展に大きく貢献されうるものばかりだと認識しております。今回受賞された皆さま、そして日刊工業新聞社はじめ関係各位の御尽力に改めて敬意を表しますとともに、今後の一層の御活躍を祈念してお祝いの言葉といたします。

市場創造し成長の源に

経済産業省大臣官房審議官 萩原崇弘氏

このたび「2020年(第63回)十大新製品賞」の各賞を受賞された皆さまに心からお祝い申し上げます。皆さまが優れた新製品の開発に心血を注がれ、大きな成果を挙げられましたことに深く敬意を表します。今回の受賞製品は、新型コロナウイルス感染症対策やカーボンニュートラルの実現、デジタル変革(DX)の推進など、グローバルな課題解決に貢献する時宜を得たものであり、新市場を創造し力強い成長の源となり得ると期待しています。受賞された皆さまおよび日刊工業新聞社はじめ関係各位の更なる御活躍と御健勝を祈念いたしまして、お祝いの言葉とさせていただきます。

増田賞

日立製作所執行役社長兼最高経営責任者・東原敏昭氏「人々の生活の質 向上」

増田賞という栄誉ある賞をいただき大変光栄だ。「生体認証統合基盤サービス」は、生体情報を復元できない形に変換して保管する日立独自の認証技術「公開型生体認証基盤(PBI)」を用いて本人認証を実現する。いつでもどこでも手ぶらで安心・安全に利用できるニューノーマル、Society5.0を支える社会インフラとして、人々のQoL(生活の質)向上に貢献していく。

本賞

アマダ社長・磯部任氏「産業発展に向け尽力」

当社のレーザー技術と自動化技術を結集して開発した板金加工機械を評価いただき、大変光栄に思う。モノづくり現場では変種変量生産への対応や人手不足に加え、人手を介さない作業形態が求められている。本機は非熟練者でも容易に高速・高品位な加工が可能。点検や調整などの現場作業を約80%削減することで生産性の向上と働き方改革の両立を実現する。今後も顧客と一体で産業発展に向けて尽力していく。

イシダ社長・石田隆英氏「更なる技術進化 注力」

このたびは名誉ある賞を賜り、非常にうれしい。付加価値の高い製品開発を目標に、3年前に人工知能(AI)技術の要素検討・開発に着手。当社独自の計量技術とAI画像認識技術を組み合わせ、計量レジ操作の自動化・省力化を実現し、誰もが容易に作業できる環境を創出することができた。受賞を励みに、更なる拡販と技術の進化に注力し、安全・安心で豊かな社会の創造に貢献していきたい。

オークマ社長・家城淳氏「開発者の大きな励み」

大変名誉ある賞をいただき光栄の極み。当社、そして開発者の大きな励みになる。対象機種のMCR―BVは、自律的に加工空間を高精度に安定維持する知能化技術「3Dキャリブレーション」を標準搭載し、大物部品の高精度・高能率加工と精密計測を融合し高度な超工程集約を実現した当社の旗艦機種である。脱炭素化の潮流の中、産業界の発展に貢献していきたい。

島津製作所 分析計測事業部ライフサイエンス事業統括部バイオ・臨床ビジネスユニット長 山本林太郎氏「コロナ検査 問題改善」

逼迫(ひっぱく)する新型コロナウイルスのPCR検査における検査時間、検査担当者の負担、試薬供給量などの諸問題改善に向けて開発した製品。核酸精製部分を省力化し、PCR検査の全行程を従来の半分(約1時間)に短縮できた。これからも検査装置・試薬のラインアップを充実させることで新型コロナ検査体制拡充に貢献していく。

ソディック社長・古川健一氏「幅広い分野を自動化」

名誉ある賞をいただき、大変うれしく光栄に感じている。難易度の高い細穴加工でのニーズを丁寧に調査・分析し、現場が求める性能と仕様を実現できた。異なる穴径での連続無人加工に対応するべく、多彩な自動化装置をコンパクトにデザインし、航空宇宙をはじめ医療や半導体、電機電子など幅広い分野での自動化・省人化で優位性を発揮できる。受賞を励みに、一層のモノづくり支援強化に努めたい。

ファナック社長・山口賢治氏「安全と信頼性を両立」

名誉ある賞をいただき、大変光栄に思う。安全柵なしで人と作業ができる協働ロボットCRXは、ロボットに不慣れな現場でも簡単に使えるスマートフォンのような使いやすさと、安全で壊れない信頼性を両立した。発売以来、多くのご注文をいただいており、生産能力を増強している。製造現場のシンプルな自動化を一層容易に進められるCRXにより、製造業の発展に貢献してまいりたい。

富士通理事・新庄直樹氏「社会課題の解決にも」

理化学研究所と共同開発したスーパーコンピューター「富岳」の技術を用いた商用機で受賞できた意義は大きく、大変喜ばしい。富岳は新型コロナウイルスの飛沫拡散の検証などでも話題となったが、商用機はユーザーごとのニーズに応えることが求められる。受賞を励みに、活用シーンを広げ、モノづくりなどの産業用途はもとより、気象変動予測などの社会課題の解決にも役立て、社会の進歩に貢献したい。

プレシジョン・システム・サイエンス社長 田島秀二氏「PCRの現場に貢献」

遺伝子解析業界に足を踏み入れて以来、世界一小さく、正確で操作しやすいシステムを開発するため、社員一同、力を合わせてきた。全自動PCR検査装置「ジーンリードエイト」はその成果。COVID―19が猛威を振るう中、PCR検査の現場で貢献できていることは喜ばしい。受賞はそのご評価を頂いたものとしてありがたく、誇らしい。COVID―19収束に向けてさらなる努力を重ねていく。

メディカロイド社長・浅野薫氏「世界の医療のために」

名誉ある賞をいただき大変光栄に思う。hinotoriサージカルロボットシステムは、国産初の手術支援ロボットシステム。出資元である川崎重工業の産業用ロボットの技術と、シスメックスの医療分野における知見とネットワークを基に、日本の医療従事者のニーズをくみ取りながら開発を進めてきた。発売はあくまでもスタート。今後、hinotoriを世界にはばたかせ、世界の医療へ貢献したい。

安川電機取締役常務執行役員ロボット事業部長・小川昌寛氏「半導体製造 進化期待」

栄えある賞をいただき大変光栄であり、心から感謝申し上げる。今回の製品はモーターモジュールをアーム内にビルトインする革新的な技術への挑戦だったが、モータードライブ技術とロボット技術の融合で達成できた。従来品をはるかにしのぐ低振動・高精度なウエハー搬送システムを実現でき、半導体製造の進化に大いに貢献できるものと期待する。今後も進化ニーズを先行的に捉え応えるべく、開発にまい進する。

日本力(にっぽんぶらんど)賞

エア・ウォーター会長 豊田喜久夫氏「医療従事者支えたい」

「NOALON」は医療の地域格差解消の一助となる、これまでの医療現場を変革する製品だと確信している。地方や離島を含め、いつ、どこでも専門医の医療支援を受けられ、治癒率の改善にも貢献できる。専門医が患者の容体を遠隔でリアルタイムに確認できるので、コロナ対応の医療現場でも導入が進んでいる。最前線で難局に立ち向かう医療従事者を全力で支えたい。

クラボウ社長・藤田晴哉氏「ニーズ取り入れ改善」

名誉ある賞を頂き誠に光栄に思う。クラボウの環境メカトロニクス事業部と技術研究所が長年培ってきた「見る」というビジョンセンシング技術に「考える」という脳の動きを付加し、製造現場での柔軟物や線状物のハンドリング自動化を実現する。コロナ禍における非接触、非対面型、省人化による3密回避の製造現場など、社会課題解決に向けて役立つよう顧客ニーズを取り入れさらなる機能改善に尽力する。

国際計測器会長・松本繁氏「自動運転の時代 貢献」

栄えある賞をいただき、大変うれしく思う。自動車が100年に1度といわれる変革期を迎えた時に「フラットロードタイヤ総合試験装置」を開発し、世に出すことができた。これから本格的に自動運転や電気自動車、燃料電池車の時代を迎えるなか、本装置は室内で高精度に測定し、タイヤ性能向上に貢献できると確信している。今回の受賞を励みに、従業員とともに新たな製品開発にまい進したい。

住友重機械工業副社長・岡村哲也氏「がん診断 今後も挑戦」

BNCTシステムは京都大学との共同研究の成果を基に、当社のモノづくり技術により世界に先駆けて医療機器の承認を取得した。日本発の革新的技術が評価されたものと考えている。受賞は光栄の至りであり、当社、特に開発関係者にとって非常に明るいニュースとなった。これを励みに今後も加速器を用いたがんの診断・治療分野の開発で世界に向けた挑戦を続けていきたい。

モノづくり賞

IHI社長・井手博氏「感染予防の思い結実」

伝統と名誉ある賞をいただき大変光栄に思う。陰圧隔離室(簡易陰圧テント)は既存のオゾン空気除菌機と併用することで、新型コロナウイルスのみならず、さまざまな感染症対策に、また災害時の避難所での感染予防に有効であると自負している。開発者たちの「感染予防で社会に貢献したい」という強い思いが結実した製品であり、そこを評価いただいたことは大きな励みとなる。

シチズンマシナリー社長・中島圭一氏「資源有効活用に一役」

大変栄誉ある賞をいただき光栄に思う。「革新的なモノづくりの実現を通して、お客さまの安心と成長、そして世界中の製造業の発展に貢献する」という当社のミッションを具現化したような機械を世に送り出せた。この「残材削減機能搭載機」は、コスト抑制だけでなく、資源を有効活用した持続可能な社会づくりにも貢献する。今後もより良いモノづくりで顧客の役に立てるよう努めていく。

不二越ロボット事業部長・中村成利氏「幅広いニーズに対応」

名誉ある賞をいただくことができ大変光栄に思う。「MZ25」は組み立てや加工など多様なアプリケーションに対応し、当社MZシリーズが、今まで以上にお客さまの幅広いFA化ニーズに応えることができる商品となった。総合機械メーカーである当社の強みを生かし、これからもお客さまのニーズに応じた製品・サービスを創出していくことで、産業界の発展に貢献していきたい。

(2021/1/27 05:00)

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