(2021/2/3 05:00)
2度目の延長はないという強い覚悟で、これからの1カ月を過ごすために、国と自治体が一枚岩で国民の理解を得る説明と行動を示してもらいたい。
政府は2日、新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言を、3月7日まで延長すると表明した。新規感染者数は減少傾向にあるが、医療の逼迫(ひっぱく)状況が続いていることを理由に挙げた。
まずは大学病院や国公立病院、民間病院の連携で、重症者を確実に収容する態勢作りを急がなければならない。
政府は1月の宣言発出時に、飲食店を感染の急所としピンポイントで時短要請を行った。さらに出社人数の7割削減や不要不急の外出自粛を求めた。
この間、飲食店を起点とする新規感染の割合は減少する一方、高齢者施設内の感染が増え、さらに家庭内、職場内での感染事例も発生している。新たな感染の急所を明確にすべきだ。
経団連の調査によると、企業の出社7割削減は、大企業ではおおむね達成しているものの、小規模企業は未達が多い。経営者は事業内容を精査し、在宅勤務の可能性を極限まで探ってもらいたい。
企業内の感染例は、執務中よりも、休憩室や喫煙室が起点となる事例が多い。入室人数の見直しや距離の確保など、徹底した対策を講じる必要がある。
緊急事態宣言の延長が経済に打撃を与えるのは明らかである。特に飲食業や関連事業者、地域の観光業、イベントなどの集客を前提とする事業は、度重なる時短や自粛で存亡の危機にある。事業規模に応じた補償や支援をしていくべきだ。
収入が途絶えた非正規労働者の救済策も急務だ。経済的な理由で死を選択する人を何としても救わなければならない。
新型コロナに対応する特別措置法と感染症法は3日に成立、月内に施行となる見込み。私権を制限し違反者には過料を科す強い権限を持つ法改正となる。しかし、権力で国民の行動を変えるには限界がある。宣言解除の条件を示し、国民が同じ方向を目指せるようにするのが、政治の責務である。
(2021/2/3 05:00)
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