福島沖地震、宮城・福島の企業「大きな被害報告はない」

(2021/2/14 14:00)

  • 地震の影響による天井からの水漏れで改札付近に水たまりができたJR福島駅東口

地震から一夜明けた14日の仙台市内では、幹線道路などの交通も特に混乱は見られず、ガソリンスタンドでの渋滞なども特に発生していない様子。コンビニエンスストアも通常通り開いている。中小の機械器具製造、金属加工業などが集まる仙台工業団地(仙台市若林区)でも14日午前現在、人の出入りは少なかった。

一方、福島市内ではブロック塀の倒壊や建物壁面の崩落が見られ、地震発生時にはガソリンスタンドを中心に市内複数箇所で渋滞が発生した。福島駅東口改札付近では天井からの漏水で一時構内が水浸しになった。

東北経済産業局は14日に災害対策本部を同局内に設置。宮城県と福島県の企業を中心に生産設備などの被害状況のヒアリングを進めている。14日午前の状況では「大きな被害報告は聞いていない」としているが、今後も状況確認を進める構え。

自動車関連のダイカスト製品を手がける岩機ダイカスト工業(宮城県山元町)は電気、水道は使える状況。14日午前の状況では建物などに大きな被害は見られないという。各工場の生産ラインなどの点検を進めている。

宮城県内に角田工場(角田市)と大河原工場(大河原町)を持つ生活用品大手のアイリスオーヤマ(仙台市青葉区)では、倉庫などの荷物が一部落下するなど被害はあったものの、「大きな被害は現状では確認されていない」(広報室)。

甲板機械やグラブバケットを製造する福島製作所(福島市)の百田昭洋社長は「一部ガラスが割れたものの大きな被害はない。点検を進め明日の操業に備える」と話す。鉄道車両を製造する協三工業(同)の加藤守社長は「ガスの配管漏れが心配だったが大きな被害はなく、明日から通常操業する」と話す。水処理関連機器製造の加藤鉄工(同)の加藤利夫社長は「高速道路など物流の状況が気になる」と心配する。

震度6強を観測した福島県国見町にある国見メディアデバイスの岡村直之社長は「多少設備が動いたがインフラにも問題なく、人的被害がなくて良かった。東日本大震災の教訓を生かした対策が奏功したのではないか」と語る。

(2021/2/14 14:00)

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