(2021/4/16 05:00)
採蜜の季節が近い。ニセアカシアの花から採取するアカシア蜂蜜は「蜂蜜の女王」と呼ばれる。透明に近く淡泊なことから、料理や飲み物などに広く利用されている。
玉川大学教授で養蜂学が専門の中村純さんによると、温暖化の影響でニセアカシアの花が早く咲きだし、トチノキの開花時期と重なるようになった。蜂蜜が混ざり合い、アカシア蜂蜜を主力にしている東北地方の養蜂家には痛手という。
授粉の時期もズレが生じている。山梨県内では例年より半月ほど早くリンゴの開花が始まった。蜜蜂を花粉交配用に貸し出す養蜂家は、スケジュールの調整に頭を痛めている。
中村さんは農地を維持するため、種苗メーカーなどと甲府市内で耕作放棄地を花畑にするプロジェクトを進めている。交配用の蜜蜂を生産し、桃やサクランボの果樹農家に役立ててもらう。
蜜蜂にとって脅威になりそうなのは二酸化炭素濃度の上昇だ。花粉中の糖が増える一方で、たんぱく質は減ることが実験で判明している。花粉を栄養源にして育つ蜜蜂は、たんぱく質不足に陥り、個体数の減少につながる懸念が指摘される。養蜂家や蜜蜂に押し寄せる異変は、人間社会への警告と受け止めたい。
(2021/4/16 05:00)
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