産業春秋/マスクを捨てるマナー

(2021/9/7 05:00)

「船揚場で小枝などに絡みついたマスクゴミが目につくようになった」と、神奈川県の漁港で地元の方から聞いた。大雨で河川から流出し漂着したらしい。

不織布マスクは、布製やウレタン製より新型コロナウイルスの飛沫(ひまつ)を防ぐ効果が高いため使用が推奨されている。だが原料のプラスチックは分解に30年以上かかるとの研究報告もある。

紫外線による劣化や波力でマイクロプラスチックになれば食物連鎖を通して生態系へ汚染を広げる危険性がある。生分解するマスクの開発も進められているが、コストと性能の両面で不織布マスクを代用するには時間がかかりそうだ。

日本衛生材料工業連合会に加盟する約300社は、9月に生産するマスクから「ポイ捨て禁止」と「ゴミ箱廃棄」を呼びかけるマークをパッケージに印刷する。専務理事の高橋紳哉さんはコロナ収束後に「マスクゴミの再資源化を検討したい」と話す。

不織布マスクの国内出荷量はコロナ前の約2倍に。故意にしろ、うっかりにしろ、路上に捨て置かれたマスクは海洋汚染の原因になりかねない。ゴミ収集時にウイルスが飛び散らないよう、袋に入れて密閉し、可燃ゴミへ。着用とともに廃棄もマナーを徹底したい。

(2021/9/7 05:00)

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