(2021/11/3 05:00)
プロ野球パリーグでオリックス・バファローズが1996年以来25年ぶりのリーグ優勝を決めた。セリーグの覇者ヤクルト・スワローズ同様、前年はリーグ最下位で、最下位2チームが同時優勝するのは初めてのこと。プロ野球界は実力伯仲時代にあるようだ。
勝因は中嶋聡監督のリーダーシップなどいろいろある。リーグ最多勝・奪三振王の山本由伸投手、首位打者の吉田正尚選手、最多本塁打の杉本裕太郎選手らの活躍は見逃せない。高卒2年目の若手も奮闘した。
オリックスが阪急ブレーブスを買収した88年。金融担当として同社を取材していた。買収発表記者会見の後、宮内義彦社長(当時)の自宅にお邪魔した。いわゆる「夜回り」だ。
記者会見で聞けなかった裏話を聴くためで、経済部記者と運動部記者が入り交じる光景は珍しかった。「球団経営はお金がかかります。大丈夫ですか?」との問いに宮内さんが「健全な赤字なら5年は我慢する」と答えたことは忘れられない。
日本シリーズに出場するには、クライマックス・シリーズを勝ち抜く必要がある。財界人野球で投手を務めた根っからの野球好きである宮内さん。日本一の胴上げを経験できるだろうか。
(2021/11/3 05:00)