(2021/12/8 05:00)
女性が立ち上げたスモールビジネスが地域創生の担い手になっている。Sarah(静岡県沼津市)代表の青山沙織さんは、深海魚の産地直送ビジネスで業績を伸ばし、9カ月で750箱を売り上げた。
戸田漁港で水揚げされる深海魚は、おいしくても市場に出回らない魚種が少なくない。青山さんは地域おこし協力隊に参加し、事業の可能性に手応えを感じて起業した。
今では食通の消費者や料亭だけでなく、研究用に大学などからも注文が来る。未利用深海魚の商品化は、コロナ禍で収入が落ち込む漁師たちの助けにもなっている。
示唆に富むのは、青山さんが地元出身ではなく、機械メーカーに勤務した経歴を持つことだ。地域の魅力は域内の同業者には気付きにくいもの。「よそ者×異業種」のまっさらな発想が新たな価値を創る。
スモールビジネスが地域創生のけん引役となる時代は来るか。司馬遼太郎は地域を活性化するためには「たった一人でいい」と言い切っている。たった一人でも力のある人が本気で取り組めば地域に文化と元気が生まれると説く。「起業したい気持ちがあったら、とりあえず行動してみて」。青山さんの体験がにじんだ後進へのメッセージだ。
(2021/12/8 05:00)
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