産業春秋/山中教授の新たな道

(2021/12/9 05:00)

京都大学は8日、iPS細胞研究所(CiRA)の山中伸弥教授が2022年3月末でCiRA所長を退任すると発表した。06年にマウス、07年にヒトでのiPS細胞(人工多能性幹細胞)の作製をそれぞれ発表し、12年にノーベル生理学医学賞を受賞した山中教授は22年9月に60歳を迎える。

10年のCiRA設立以来、12年間所長を務めてきたが今後は一人の研究者の立場に戻る。「基礎研究者としてiPS細胞や医学・生物学の発展に貢献できるよう全力を尽くします」とコメントを発表した。

山中教授の功績は言うまでもないが常々強調してきたのは「患者さんのために」ということだ。趣味のマラソンで大会に出場するのはiPS基金への寄付を呼び掛けるためでもあった。

その思いは自身のホームページ(HP)を立ち上げて新型コロナウイルスの情報発信に努めてきたことにも表れている。柳井正ファーストリテイリング会長兼社長が個人で京大に100億円を寄付するなど山中教授の姿勢に産業界も賛同する。

再生医療を最前線でけん引してきた山中教授の研究者としての“マラソン”は続く。日本の科学技術発展にとっても意義あることだけに新たな道を応援したい。

(2021/12/9 05:00)

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