(2022/1/6 05:00)
国際平和を軸に、日本がリーダーシップを発揮したい。
岸田文雄政権が発足して3カ月。衆議院の解散・総選挙を挟んで第2次内閣に移行する中で、内政では過去最大規模の補正予算を編成することで一定の姿勢を見せた。今年は外相としての経験も生かし、トップダウンによる外交面での成果が求められる。
最大の課題は、先鋭化する一方の米中対立への対応だ。東アジアの安定にとって懸念材料であるばかりでなく、世界平和の面からも不測の事態は避けなければならない。
日本が果たすべき責任は大きい。他の主要国に解決を任せるような消極的な外交手法だけでは、日本が世界の中で存在感を発揮するどころか、同盟国から評価されることもない。
すでに安全保障の面では防衛費を大幅に増額し、米国に協力する姿勢を明確にした。今後、外交でも岸田政権がリーダーシップを求められる局面は増えてこよう。日本外交の基軸は「平和と国際協調」であり、産業界もそれを期待している。その原則を守りつつ、変化する国際関係に対応することが必要だ。
膠着(こうちゃく)状態にある日韓関係の打開も課題である。いわゆる徴用工訴訟での韓国側の国際ルール違反は明確であり、これが日本企業に実体的な被害を及ぼすことは許されない。韓国政府に責任ある決断と行動を求めなければならない。
通商面においては、日本や中国、東南アジア諸国連合(ASEAN)など10カ国による東アジアの地域的な包括的経済連携(RCEP)が1日に発効した。すでに発効した環太平洋連携協定(TPP)とともに、過去十数年にわたって努力を積み上げてきた日本の通商の基本戦略が形を成したことになる。
これをどう生かし、次に何を目指すのかの方針を策定するのが岸田政権の役割だ。TPPへの米国の復帰を促すとともに、高レベルの包括的な経済連携を各国に広げることが、わが国産業界のみならず加盟国全体の利益につながる。「岸田流」のリーダーシップに期待する。
(2022/1/6 05:00)
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