産業春秋/災害への備え

(2022/1/17 05:00)

 「突然大災害に見舞われても、被災者が『自助・共助』の心で避難生活を送れるようにしたい」。神戸市長田区の靴メーカー、KEiKAコーポレーション社長の山本景化さんが、段ボールベッド「ひらいてポン」を開発したのは、阪神淡路大震災の避難所での原体験からだ。

ひらいてポンは、飛び出す絵本から着想を得た。あらかじめ段ボールを組み合わせてあり、収納時は平らで、開くと簡単にベッドになる。

さまざまな防災関連の展示会で披露したところ、自治体関係者から「こういうものが欲しかった」と絶賛されたという。

ただ、山本さんには気がかりなことがある。「購入してもらった製品は大きな防災倉庫にしまわれている。災害時に避難所まで届けられるのか。避難所に備蓄して地域の方が訓練でベッドを組み立てたり、非常食の体験ができるようにしておけばいいのに」。今の自治体の“備え”に不安を覚えている。

南太平洋トンガで発生した大規模火山噴火が起点となり、16日未明、日本の太平洋沿岸の広域に津波警報・注意報が出された。またも不安の夜を避難所で過ごした方々がたくさんいた。災害の絶えない日本。備えの大切さを改めて心に刻みたい。

(2022/1/17 05:00)

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