社説/宮城・福島で震度6強地震 被害を検証し、今後へつなげよ

(2022/3/18 05:00)

地震は世界で戦争が起こる中でも突然襲ってくる。日頃の備えの大切さを再認識したい。

16日午後11時36分ごろ、福島県沖を震源とする地震が発生。宮城県、福島県で最大震度6強の強い揺れがあった。

気象庁は今回の地震について、海側の太平洋プレート内で起きたもので、11年前の東日本大震災とは異なるタイプの地震と指摘した。同様の揺れに1週間程度は警戒が必要と注意喚起している。

まずは地震で被害にあった方たちの救援活動に全力を挙げてもらいたい。残念だが死者が発生し、傷を負った人も多数発生している。物的被害も広範囲で確認されている。全容を把握し、被害の拡大を防ぐ措置を早急に講じなければならない。

東北新幹線は、やまびこ223号が17両中16両が脱線し、運行停止となった。人的被害は免れたが、脱線は場合によっては大惨事となる恐れもあった。揺れを感知して停止するまでに何が起こっていたのかを検証し、今後の再発防止に役立ててもらいたい。東北自動車道も亀裂や隆起が発生し、通行止めとなっている。鉄道も道路も被災地への救援活動の重要経路である。早期復旧に尽力してほしい。

被災地域で操業する企業にも影響が及んだ。東北電力は3カ所の火力発電所の稼働を一時停止、JERAは広野火力発電所(福島県広野町)が停止し一部設備の損傷も確認された。ENEOSホールディングスも製油所の操業を止めた。

一方で機械設備をアンカーボルトで床に固定していたため、通常どおり操業ができている企業も多数ある。東日本大震災では、設備が地震で破損したり、ずれが生じたりして操業が困難となる事例が多発した。今回はその際の教訓を具体的な対策に取り込んだことが功を奏したと言えるだろう。

平時の対策が地震被害を軽減する上で重要なのは論をまたない。今回の地震で発生した被害から、できていたことと、不足していることをしっかりと検証し、今後の備えの拡充に結びつけていかなければならない。

(2022/3/18 05:00)

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