(2022/4/15 05:00)
半世紀ぶりの低水準だった2021年度の倒産件数が、22年度に反動で大きく増加に転じないか心配だ。帝国データバンクの調査をみると、気になる二つの動きがあった。
一つは燃料高騰を理由に、電力の小売り事業会社「新電力」の倒産が増えていること。21年度は31社が事業撤退し、14社が倒産した。前年度の倒産2社から大幅に増えた。22年度は新電力をはじめ、体力で劣る中小・小規模事業者などに“インフレ倒産”が広がる可能性を拭えない。
燃料費の高騰に円安の進行、ロシアによるウクライナ侵略など物価上昇圧力に沈静化の兆しはない。岸田文雄政権が月末にまとめる緊急経済対策がどこまで奏功するかも予断を許さない。
二つ目の懸念は「コロナ融資後倒産」の増加。21年度は前年度比約5倍の206件を数えた。コロナ関連融資を実施したものの「先行きの見通しがつかない」「追加融資を受けられない」ための倒産が増加した。この傾向が22年度に強まりかねない。
中小企業は過剰債務を抱え、実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済も本格化する。コロナ禍“第7波”も気がかりだ。中小企業に対して「耐性」が流行語のように使われる気配を感じる。
(2022/4/15 05:00)
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