産業春秋/「人道回廊」へ続く道

(2022/4/25 05:00)

ウクライナ避難民の受け入れをきっかけに難民認定をめぐり政府の対応が問われている。アジアでいち早く受け入れを表明したことは歓迎したいが、他国からの難民と対応に不公平があってはならない。

ウクライナから日本への避難民は670人(4月20日現在)に上り、今後は身寄りのない避難民が増えるとみられる。政府は省庁横断の連絡対策会議を設置し、特例措置でさまざまな支援策を打ち出してきた。

日本は難民条約に加盟しながら、認定基準が厳しく、国連から何度も勧告を受けてきた。難民支援協会によると、2020年の難民申請者は3936人で認定は47人にすぎない。国情の違いはあれ、万単位の欧米先進国とは大きな開きがある。

ウクライナ避難民の受け入れでは多くの企業や自治体が職業訓練や就労先、住居の提供などを申し出ている。「困った時はお互いさま」の意識が根付いているのは誇らしい。それだけに官民挙げて実のある支援にすべきだ。

これを起点として時代遅れの感がある認定制度を改善できないか。難民の「管理」から「保護」を重視した血の通った制度へ議論を本格化したい。世界の「人道回廊」へ続く道づくりを進める時だろう。

(2022/4/25 05:00)

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