産業春秋/節電の次は節ガス

(2022/7/12 05:00)

「今夏は安定供給できる電力を確保できる見通しだ」。自民党の岸田文雄総裁(首相)は11日、参院選後の会見でそう語り、無理な節電が必要ないことを強調した。火力発電所の再稼働などにより、十分な予備率を全国的に維持できるとの見通しだ。

ただ猛暑に見舞われた6月末、常磐共同火力の勿来(なこそ)火力発電所9号機(福島県いわき市)が設備トラブルで停止する事態があった。不測の事態に陥らないよう、設備管理の徹底と迅速・正確な情報発信が政府および事業会社に求められる。

電力の需給逼迫(ひっぱく)は夏より冬の方が懸念されるが、今冬は電力に加えてガス需給の行方も心配だ。節電ならぬ節ガスの協力を企業や家庭に求められる可能性がある。ウクライナ情勢に伴う液化天然ガス(LNG)の調達難に対応した措置だ。

経済産業省は電力と同様に、都市ガスの消費を抑制するための仕組みを検討している。大口の顧客企業に使用制限令を発令することも視野に入れる。

今冬は今夏と同様、無理のない節ガスで済むのだろうか。有事の中での政策運営が求められる自民党の岸田総裁は「今の日本は戦後最大級の難局」にあると警戒する。節約頼みのエネルギー問題もその一つだ。

(2022/7/12 05:00)

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