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(2022/8/29 05:00)
地道な作業を忍耐強く
(総合1から続く)東海大学工学部電気電子学科で電気回路や半導体について学びました。もともと車が好きで、本社が実家の近くで馴染みのある企業だったこともあって日本ピストンリングに興味を持ちました。大学の専攻とは分野が違いましたが、陰ながら自動車を支える部品を作っていることに魅力を感じ、入社を決めました。
何かしら開発に携われたらと思っていましたが、素材開発部門への配属は意外でした。新事業の仕事だと聞いて、いろいろと挑戦できるチャンスだと感じました。開発全体で女性は私を含めて2人とまだ少ないですが、男女関係なく和気藹々(あいあい)と仕事に取り組んでいます。
現在、医療用途に提案している独自のチタン・タンタル合金「NiFreeT」はアレルギー反応を起こさないニッケルフリーの素材です。実用化に向け一般的なニッケル製品と同等レベルの性能を実現できるよう頑張っています。
伸線機という機械で合金を伸ばしていき、極細線を作るのが今の主な業務です。顕微鏡のぞきながら線を穴に通すなどとても繊細な作業で、髪の毛より細い素材と日々格闘しています。研究職は派手なイメージでしたが、コツコツと地道な作業を忍耐強く続けることで成り立つ仕事なのだと実感しました。世界最小クラスの直径20マイクロメートル線の加工に成功した時は達成感がありました。
今後は先輩方のように医療関係者に直接ヒアリングをしにいくなどして医療への知見を高めて、実際に現場で使ってもらえる製品にしていきたいです。
休日はライブや演劇を見に行っています。コロナ禍でなかなか集まれていませんが、大学のサークルの延長で、バンド活動もしています。趣味でリフレッシュすることで普段は集中して仕事ができていると感じます。(文・増田晴香、写真・森住貴弘)
◇日本ピストンリング 新製品事業開発部新製品開発グループ 新井真幸(あらい・まゆき)さん
(2022/8/29 05:00)