- トップ
- ひと カイシャ 交差点
- 記事詳細
(2022/9/19 05:00)
素材研究、まるでパズル
(総合1から続く)「シールドプラス」に代表される紙バリアー包材をより良く提供しようと、営業員の顧客訪問に同行したり、関係する論文を読み込んだりしています。プラスチック削減の機運の高まりもありますが、店先で自社製品に出合うと実際の使われ方を知れてうれしいです。
東京農工大学大学院で応用生命化学専攻の修士課程を終えました。有機合成系の研究室に所属し、食品や医薬品分野で利用されるペプチドの効率的合成法を研究していました。
子どもの頃から理科の実験が面白く、基本さえ守れば成果が現れることを知りました。疑問に思うことを自分でも解決できる爽快感と言ったらありません。化学に興味を持ったのは、元素レベルの目に見えないものをうまく集合させると有用物となって人の役に立てるからです。
今の仕事には直接、専門知識が生かされていないかもしれませんが、研究への取り組み方、解決に近づくための手法には通じるものがあります。学生時代から素材メーカー希望でした。水溶性のティッシュペーパーもあれば、水に強い紙製品もあるなど多様です。まるでパズルのようにつなぎ合わせ、素材に機能性を持たせる楽しさを実感しています。
当社内には「女性ネットワーク」という取り組みがあり、先輩方とも情報が交換でき、仕事上の悩みや不安の解消につながっています。今後は人々の役に立つ製品づくりに一層かかわり、自分も成長していきたいと思います。
趣味はフィギュアスケート観戦で、芸術的側面もあって各人の個性が分かりやすい点が気にいっています。私と同じ愛知県出身の宇野昌磨選手らのファンで、アイスショーを含め30回以上現地で見ています。コロナ禍が収束したら欧州やアジアの旅も再開し、大いにリフレッシュしたいものです。(文=編集委員・山中久仁昭、写真=木本直行)
◇日本製紙 研究開発本部パッケージング研究所 早川聡美(はやかわ・さとみ)さん
(2022/9/19 05:00)