産業春秋/止まらない円安・物価上昇

(2022/10/14 05:00)

鈴木俊一財務相は13日(日本時間)、米ワシントンでの20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で「為替の変動が急激に高まり、極めて憂慮している」と語り、9月22日に実施した円買い・ドル売りの為替介入について参加各国に説明した。

鈴木財務相は為替変動についてかねて水準よりも「ボラティリティー(変動性)」を重視すると指摘している。13日の東京外国為替市場は1ドル=146円台後半の円安で推移したが、水準そのものには一喜一憂しない意向だ。

日銀が13日に発表した9月の企業物価指数(2020年平均=100、速報)は円安進行もあり116・3と過去最高を更新し、前年同月比で9・7%上昇した。電力・都市ガス・水道は38・8%の大幅な上昇だった。

政府は来春に電気料金が2―3割高騰する見通しを踏まえ、激変緩和措置に関する議論を本格化させている。電力会社に支援金を支給し、全ての国民の負担軽減に充てることを想定する。

ただ電力会社は電力自由化後に新電力の参入が相次いだため700社を超えており、料金プランも各社で異なる課題を抱える。いかに円滑に激変緩和を実現するのか、政府には適正な制度設計を求めたい。

(2022/10/14 05:00)

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