産業春秋/富士山の観光価値とは

(2022/10/31 05:00)

富士山の紅葉は雪景とのコントラストが魅力だ。11月上旬まで楽しめる。世界文化遺産登録後は外国人観光客が急増し、5合目来訪者が500万人を超す年も。標高は日本一だが混雑は世界一だろう。

山梨県は富士スバルラインを次世代型路面電車(LRT)の登山鉄道に置き換える構想をまとめた。世界遺産の登録審査機関イコモスが構想を評価し関係者は活気づく。

総費用1400億円で往復運賃は1万円か2万円を想定。県はスイスの登山鉄道のように「高付加価値観光を進めるフラッグシップ」と位置付ける。LRTなら通年観光が盛んになるかもしれない。

登山シーズンのマイカー規制で導入しているパーク・アンド・ライドを進化させる手もある。麓の駐車場で、県が実用化に取り組む水素を燃料にしたシャトルバスに乗り換える。総費用を抑え、環境負荷を低減できるのでは。

富士山は万葉の昔「語りつぎ言ひつぎゆかむ」と詠まれ、江戸時代は富士講で栄えた。日本人の精神的資産を守りながら観光価値をいかに高めていけるか。研究者が指摘する山麓噴火への対策も課題だ。自宅から雪化粧した頂を拝める季節になった。富士登山が高根の花にならないでほしい。

(2022/10/31 05:00)

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