(2022/11/11 05:00)
唯一の被爆国も核攻撃に備えなければならないのか。核使用の可能性が指摘される中、やむを得ない対応かもしれない。
ロシアによるウクライナ侵攻直後、地上設置型の防災核シェルターを製造販売する直エンジニアリング(茨城県結城市)は企業や家庭からの問い合わせが増えたという。北朝鮮のミサイル発射が頻発するようになり再び関心は高まっているそうだ。
自然災害が多発する日本では防災兼用シェルターが適しているとか。普段は趣味や子どもの部屋として使い、地震で住宅が被害を受けたら避難所に利用する。12月には代理店などと日本防災シェルター協会を発足し、業界をあげて普及活動に当たる。
欧州には一定基準以上の建物にシェルターの設置を義務付けている国がある。日本でシェルターが普及しないのは土地の狭さや費用の問題に加え、有事の際は国が守ってくれるという他力本願が根底にあるからでは。
岸田文雄首相は衆院予算委員会で立憲民主党の岡田克也幹事長から核シェルターの整備について問われ「現実的に対策を講じていく必要がある」との認識を示している。広島を地盤とする政治家として看過できない課題だろう。万一への備えは進めたい。
(2022/11/11 05:00)