産業春秋/物価上昇が止まらない

(2022/11/21 05:00)

物価上昇が止まらない。総務省が発表した10月の消費者物価指数は生鮮食品を除く指数が103・4と、前年同月比で3・6%上昇した。40年8カ月ぶりの高い上昇率で、都市ガスは同26・8%、電気代は同20・9%それぞれ上昇した。

岸田文雄首相は物価上昇に負けない賃上げを労使に求め、連合は2023年春闘で5%程度の賃上げを求める方針を示す。基本給を一律に上げるベースアップ(ベア)3%、定期昇給2%程度の引き上げを求める。

ただ日銀の黒田東彦総裁は18日の衆院財務金融委員会で、23年度の消費者物価指数の上昇率は2%を割り込むと見通し、金融緩和を継続する意向をあらためて表明した。

賃上げを伴わない悪い物価上昇から、賃上げを伴う良い物価上昇への転換が日本経済の大きな課題。黒田総裁は2%の物価目標を安定的に持続するには3%程度の賃上げが必要と指摘する。

政府は23年6月に労働市場の流動性を高めるための具体的な指針をまとめる。成長企業への人材の移行を促すことで賃上げを実現するもので、リスキリング(学び直し)などを通じて円滑な流動化につなげることを想定する。良い物価上昇を実現する確かな制度設計を求めたい。

(2022/11/21 05:00)

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