第48回発明大賞、受賞製品・技術のポイント 発明奨励賞

発明奨励賞（５０音順）

動圧型ガス軸受＝アーカイブワークス（代表取締役・松尾栄人氏）

　軸径３０ミリメートル以下の動圧型ガス軸受で、軸受の高周速回転の程度を示すＤＮ値３００万を達成した。軸径３０ミリメートル以下では世界最高値。潤滑油が不要で、熱交換器内面の油膜形成がなく、熱抵抗やガス流動圧損が少なくなる。大きなスラスト力が働く高速回転機械を実現した。リングフォイル、スラスト軸受は現用の加工機、加工方法で量産可能で、部品点数も少ないため低コスト化できる。潤滑油を使えない核融合向けの超臨界圧ガスタービン、潤滑油を使わないことで性能向上が図れるエアコンや冷凍機用の圧縮機など多様な新技術の基盤となる。（アーカイブワークス＝長崎県大村市）

発明奨励賞

スクリーンを取り出さずにゴミ掃除ができるストレーナ＝兼工業（副社長・落合優氏ほか２人）

　排出型軸流式構造を開発することで、スクリーンを外すことなく簡単かつ迅速なゴミの排出を実現した。従来品と同等のゴミため容量を確保しながら大幅に小型化。手締めのみで封栓でき、工具使用が難しい狭い場所でも作業できる。素材にステンレスを採用し、サビ落とし作業をなくした。従来のストレーナーは本体とスクリーンを別に清掃する必要があり、専門職でも多くの時間や労力が必要だった。開発したストレーナーは経験のない人も簡単に清掃、封栓でき、災害時に向けた水道管などのライフライン復旧対策装備品としても活用が期待される。（兼工業＝愛知県小牧市）