産業春秋/日銀の国債購入も一服?

(2023/3/20 05:00)

2022年12月末時点で、国債発行残高の52・02%を日銀が保有していた。日銀が発表した2022年10―12月期の資金循環統計(速報)で明らかになった。この比率は過去最高で、金利抑制に向けて国債買い入れを積極化していた。

22年12月末の国債発行残高は1051兆円で、うち547兆円を日銀が保有していた。日銀の国債購入は財政ファイナンスの側面があり、政府の財政規律を緩める副作用も指摘されている。

日銀の黒田東彦総裁の後任として、4月9日に経済学者の植田和男氏が就任する。当面は現行の金融緩和を継続するものの、経済情勢に応じて政策を修正する柔軟性が期待される。

日銀は22年12月にイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)を修正し、長期金利の許容上限を0・25%程度から0・5%程度に引き上げている。市場は事実上の利上げと受け止め、長期金利は上昇圧力を強めていた。

その長期金利がここにきて大きく下落している。米国の2銀行の経営破綻を発端に、信用不安が米欧でくすぶり始めたためだ。先週末の日本の長期金利は0・2―0・3%台で推移し、0・5%を大幅に下回った。日銀による大量の国債購入もしばらく一服か。

(2023/3/20 05:00)

総合1のニュース一覧

おすすめコンテンツ

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

GD&T(幾何公差設計法)活用術

GD&T(幾何公差設計法)活用術

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン