(2023/3/21 05:00)
土日や祝祭日、「和光」のチャイムを合図に始まる東京・銀座の歩行者天国。1970年の開始当初は交通渋滞や大気汚染といった高度経済成長の負の側面がクローズアップされ、自動車優先から歩行者中心の社会が求められていた時代である。
それから半世紀余り。この地に「空中回廊」が出現する。銀座の街を取り囲む全長約2キロメートルの「東京高速道路(通称KK線)」。東京都は2030年代から40年代にかけてこの路線を遊歩道に作り替え、公共的空間に再生する取り組みを進めている。
日本橋周辺の首都高速道路地下化に伴い新たな都心環状ルートが整備され、同路線は自動車専用道路としての役割を終える。計画では緑やアートで彩られた歩行者デッキを新たに整備し、広域的な回遊性を確保。有楽町など周辺地域とも一体となった街づくりを目指す。
そんな未来の一端を大型連休の5月4、5日に体感できる。再開発に先駆け同路線を一時的に通行止めにし、歩行者空間にするイベント「銀座スカイウォーク」が開催される。
車窓とは異なる視線の先にはどんな風景が広がるのか。伝統と革新で多くの人を惹き付けてきたこの街で、また一つ思い出の1コマが刻まれる。
(2023/3/21 05:00)