産業春秋/文化庁、移転先「京都」で業務開始

(2023/3/27 05:00)

文化庁が27日から移転先の京都で業務を開始する。都倉俊一長官らが同日から現地での業務に就く。本格的な業務開始は大型連休(GW)開けの5月15日の予定で、最終的には約390人の職員が東京・霞が関から京都に移動することになる。

中央省庁の“全面移転”は明治以来初。安倍晋三政権下、2016年に移転が決定した。とはいえ移転するのは9課のうち政策課や文化資源活用課などの5課で、職員590人のうち約200人は東京に残る。

京都に移動した職員も国会対応などで頻繁に上京する。京都―東京間の出張費は年間4700万円。デジタル化の推進でコストを最小限に抑えつつ、「文化首都」として日本の文化・芸術のグローバル展開やデジタル変革(DX)を推進したい。

省庁移転は東京一極集中の是正による地方創生を狙ったものだ。民間企業の地方移転の呼び水とし、疲弊する地域経済を再生する効果が期待された。首都直下地震や感染症のリスク分散も求められる。

省庁再編はかけ声倒れの感を否めないが、文化庁の京都移転を好機に地域の多様な文化を掘り起こしてもらいたい。地域活性化と同時に日本の魅力をこれまで以上に世界に発信したい。

(2023/3/27 05:00)

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