産業春秋/インドの存在感強まる

(2023/4/21 05:00)

インドが存在感を強めている。国連人口基金の推計によると、2023年半ばにインドの人口は14億2860万人に達し、中国の14億2570万人を上回って世界最多となる見通しだ。

長く一人っ子政策を講じた中国は22年末に人口が21年末比で85万人減り、61年ぶりに減少に転じている。一方のインドは医療水準の向上による乳幼児の死亡率低下、移民の流入、さらに貧困を背景に子どもを労働力として産むケースも少なくないという。

インドの国内総生産(GDP)は22年に世界5位。30年までには日本を上回り、3位に躍り出るとみられている。また主要7カ国(G7)は政治的に中立な新興・途上国「グローバルサウス」の取り込みに意欲を示すが、その盟主はインドである。

インドの外交はしたたかだ。ロシアに停戦を求めつつ、ロシアへの経済制裁の抜け道となり、22年はロシアからの石油輸入量は前年比で22倍にも達したという。

インドは20カ国・地域(G20)議長国でもある。5月19日に開幕するG7広島サミットも出席の予定だ。3月の日印首脳会談では「法の支配に基づく国際秩序の維持」を確認した。インドにはG20議長国としての振る舞いを強く求めたい。

(2023/4/21 05:00)

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