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(2023/5/1 05:00)
技術営業の道も選択肢!
(総合1から続く)兵庫県西宮市の出身で、高校時代にパズルを解くような有機化学に興味を持ちました。京都大学農学部を志望し、大学院では森林科学科で生物材料科学研究室で学びました。木を分解し、セルロースナノファイバーで医療材料などをつくる研究です。修士修了後は専門の延長線上で製紙会社や化学メーカーを検討。帝人が医材融合分野で募集していたので、応募しました。医療系配属と思っていたので、機能性食品素材事業(現ビオリエ事業)となり〝そっちか〟と驚きました。食品にも興味がありましたので楽しみでしたけど。
ビオリエ事業部は腸内細菌を増殖促進するスーパー大麦や水溶性食物繊維、乳酸菌などを手がけます。私の主な業務は営業支援のための試験データ取得と自社開発品の研究。大腸を模した分析装置の腸内細菌叢(そう)モデルがあり、腸内細菌を腸内でのさまざまな状態で評価することができます。配属当初は生物関係の研究の知識が足りず、大変に苦労したのが思い出の一つです。実験でつまずいた時は、高校時代の生物の教科書を引っ張り出し、勉強し直しました。また上司や先輩らにも指導を仰ぎました。
営業支援では顧客と関わる機会が比較的多く、良いデータが得られて喜んでもらえるのが楽しいと感じる瞬間です。事前に期待する結果が明確でなく、試行錯誤を繰り返して良い結果を出せた時は本当にうれしく感じます。ビオリエ事業部では導入品がほとんどで、独自の商品化を数年内にも実現すべく注力中です。将来は研究畑にこだわっていないので、技術営業などの道も選択肢と考えています。
趣味は大学院時代にコロナ禍で始めたバイオリン。今も教室に通いながら、演奏を楽しんでいます。(文=編集委員・井上雅太郎、写真=木本直行)
◇帝人 ビオリエ・ニュートラシューティカル部門ビオリエ事業部 畑本彩(はたもと・あや)さん
(2023/5/1 05:00)