(2023/7/11 05:00)
1週間前に1ドル=144円台だった円ドル相場が、10日の東京外国為替市場では同142円台を付け円高基調で推移した。市場は米連邦準備制度理事会(FRB)が25、26日に開く会合で利上げを決めると予測する。本来なら円安・ドル買い材料だが、利上げの長期化が米国の景気後退を招くとの見方が広がる。
米国の6月の雇用統計によると、非農業部門の雇用者数は前月比20万9000人増え、労働市場は堅調。この指標も円安・ドル高材料だが、景気への先行きを懸念した円買いがやや優勢。
市場は米FRBが7月と9月の会合で政策金利を0・25%ずつ引き上げると見通す。この場合、年末の政策金利の中央値は5・6%に達し、景気への影響が懸念される。
2024年の大統領選挙で再選を目指すバイデン米大統領は、中間層の拡大と低所得者層の底上げを目指す経済政策「バイデノミクス」を打ち出し、経済成長を目指すと訴える。
ただ、バイデン政権は債務不履行(デフォルト)の回避と引き換えに、今後2年間の連邦歳出に上限が設けられ、踏み込んだ政策を打てるかは不透明。円安一服の足元の為替相場が円高に大きく傾くことはないのか、米国経済を注視したい。
(2023/7/11 05:00)
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