産業春秋/上げてねボスの給料も

(2023/8/2 05:00)

「ねえボス 少しだけでも上げてくれ おいらの給料」。ロックバンドRCサクセションの「ボスしけてるぜ」の一節だ。ボスは機嫌を損ね「俺の方こそ上げてもらいてぇな」と返す。

忌野清志郎が作詞したこの歌は1980年に発売された。当時の最低賃金は時給379円。2023年度は前年度から41円増額して1002円に。人手不足の中、外国人労働者の呼び込みも考慮して他国との差を意識した。

春闘もそうだが、政治主導の賃上げが続く。歌がちまたに流れた40年前とは様変わりだ。労働者のおいらは、雇い主のボスに何度も給料を上げてと懇願するが、ボスは「お前のために俺の会社はつぶせねえな」とけんもほろろだった。

とはいえ「給料上げて」は経営者に耳の痛い話だったのだろう。この歌は当時、経営者が集まる銀座などの店では有線での放送が禁止となった。

今では給料上げては耳を傾けなければならない話となり、隔世の感がある。しかし「俺の方こそ」とうめくボスの苦悩は変わらないのでは。この状況に自らの報酬を削って人手を確保する経営者もいると聞く。そうした中小企業への支援も並行して行い、ボスの報酬も上がるような環境作りを願う。

(2023/8/2 05:00)

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