(2023/8/24 05:00)
利根川水系のダムの貯水率が下がり、首都圏では1996年以来の取水制限が取り沙汰される。ただ9月の降水量は平年よりも多いという予報で、いずれ水不足は解消されるとつい思う。しかし広く世界に目を向けると、いまや水は常に注視しなければならない問題だ。
地球の陸地には水が偏在する。季節によっても多寡がある。干ばつは地球の至る所で起きている。農産物が不作となれば、食料自給率が38%の日本も影響は避けられない。製造業も大量の水を使う。発電における冷却水の使用もある。
経済協力開発機構(OECD)によると、人口増に伴い2000―50年の間に工業用水400%増、発電140%増、生活用水30%増となると見込まれている。50年には39億もの人が深刻な水不足に見舞われる可能性がある。
日本の製造業は水の有効利用に努めている。素材産業や精密産業などの製造工程では、冷却・加熱、洗浄に使われる水の循環利用が進んでいる。海水淡水化では日本の繊維メーカーの技術が世界をリードする。
首都圏では節水が呼びかけられている。その時だけの対応ではなく、地球の将来を見据えて、普段からあらゆる形で取り組む時だろう。
(2023/8/24 05:00)
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