(2023/8/31 17:00)
セブン&アイ・ホールディングス(HD)は31日、臨時取締役会を開き、子会社の百貨店、そごう・西武を米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループに9月1日に売却することを決めた。コンビニエンスストア事業を中心に経営資源を集中させたいセブン&アイHDは2022年11月に売却を発表。そごう・西武労働組合と協議しながら株式譲渡を2度延期していたが、今回の譲渡決定でフォートレス主導による再生計画に移行する。
セブン&アイHDは業績低迷が続くそごう・西武について、「譲渡の1日も早い実現が雇用維持と事業継続に最も資する」と強調し、売却を決定した。売却額は約2200億円とみられる。売却後の雇用維持などをめぐり反発するそごう・西武労働組合は西武池袋本店(東京都豊島区)でストライキを実施。セブン&アイHDは「そごう・西武と労働組合との協議に適切な範囲で支援・協力する」とし、協議を継続する。
そごう・西武は23年2月期まで4期連続の当期赤字で、有利子負債は約3000億円に上る。セブン&アイHDは売却に伴い同百貨店への貸し付けについて債権放棄を含め損失計上を前提とする。
フォートレスが示す再生計画によれば、経営負担になっている有利子負債を西武池袋本店の不動産売却により弁済。相当分の営業面積を長期の賃貸借契約により確保することで事業継続する。合わせてフォートレスと連携するヨドバシHDが池袋本店を含め3店舗に出店を計画しており、新たな百貨店運営を進める。
一方で百貨店としての専有面積が縮小することになり、従業員の余剰が発生する可能性がある。セブン&アイHDは「一義的にはそごう・西武が配置転換などにより対応し、当社も受け入れを含め協力する」と雇用維持の方針を示している。
(2023/8/31 17:00)
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