(2023/9/14 05:00)
岸田文雄首相は13日に内閣改造を行った。新たな経済対策の策定に最優先で取り組む。物価高対策をはじめ、「人への投資」や成長投資を促し、経済好循環につなげる。停滞する内閣支持率を上向かせ、衆院解散・総選挙の時期を探るとみられる。ただ円安と原油価格の高騰は長期化も想定される。ガソリンなどの価格抑制策は年末に期限を迎える。年末が政府支援の出口となるか先行きを注視したい。
政府は経済対策に先立ち、7日からガソリン価格を抑える新たな激変緩和措置を発動した。9月末で期限を迎える価格抑制策を年末まで延長・拡充する。燃料油元売りへの補助金を段階的に引き上げ、10月中にレギュラーガソリンの価格を1リットル当たり175円程度まで引き下げるという。経済産業省によると、11日時点の全国平均価格は同184・8円。18週ぶりの値下げだが、高値で推移している。
政府は冬季の暖房に使う灯油や農業・漁業で使用する重油も価格抑制策を講じている。また電気・都市ガスの補助金も期限を9月末から年末に延長している。経済対策で打ち出す具体的な物価高対策が注目される。
問題は、原油の高騰がいつ終息するか読めないことだ。サウジアラビアによる追加的な自主減産とロシアの輸出抑制などを受け、12日の米国産標準油種(WTI)は1バレル=88ドル台で推移し、約10カ月ぶりの高値(年初来高値)を付けた。こうした状況に円安が重なり、原油の輸入物価が押し上げられている。
ガソリン補助金の延長は今回で5回目。財政負担を伴う補助金をいつまでも継続できない。仮に年末以降も実施する場合は低所得者や運輸業などに対象を絞るなどの措置が求められる。
経済対策には学び直し(リスキリング)などの人材投資や成長分野への投資を促す施策、さらに10月に始まるインボイス(適格請求書)の円滑な導入に向けた支援策なども講じる。2023年度補正予算案で対応する見通しだ。不要不急の予算項目が含まれていないか、24年度予算の概算要求と重複していないか十分な精査が求められる。
(2023/9/14 05:00)
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