(2023/10/3 12:00)
ボッシュ(東京都渋谷区、クラウス・メーダー社長)の健康経営は、世の中に「健康経営」の言葉がなかった1985年から継続している点が特徴だ。健康教育や自身の体力レベルの推移が分かる取り組み「さわやかヘルスプラン」は、コロナ禍でもオンラインで継続。健康経営の考え方が社内に浸透し、「早期にカウンセラーや保健師に相談し、重症化に至るのを防げている」(水野英二サスティナビィリティー・EHS部ゼネラルマネージャー)と胸を張る。
具体的には35歳以上の社員が、5年ごとに体力測定を受け、トレーナーが結果解説や運動アドバイスを行う。腹筋の力を測る「上体起こし」、太ももなどの柔軟性を測る「体前屈」、足の筋力やバランス機能を調べる「閉眼片足立ち」、敏しょう性を把握する「全身反応測定」、全身持久力の指標となる「最大酸素摂取量」の各人の5年ごとの結果をデータで残し、生活改善につなげるのが狙い。
コロナ禍で20年からは一堂に会しての体力測定ができていない。トレーナーがオンラインでいすに座ってできるエクササイズなどリモートワークに有用な情報を配信した。
さらに35歳、45歳、55歳の社員を対象に、産業医や看護職、管理栄養士、心理カウンセラーらが講師を務める研修を実施。各年齢に応じた健康アドバイスをし、生活習慣の改善につなげている。
メンタルヘルス対策にも注力する。ボッシュはコロナ禍以前から、オンラインによる心理カウンセリングを導入。上司を経由せずカウンセラーにコンタクトが取れるなどの配慮もあり、リモートワークが広がった21年以降活用が増加。田熊政弘サスティナビィリティー・EHS部マネージャーは「従業員が有効活用できているのではないか」と分析する。
今後は人事部門が行うハラスメントに関する調査の結果を踏まえ「従業員の考えを吸い上げて施策に生かしていきたい」(水野ゼネラルマネージャー)と、さらに進化させる方針だ。
(2023/10/3 12:00)
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