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(2023/10/23 05:00)
仮想発電所制御に奮闘
(総合1から続く)中学生の頃から通信技術に興味がありました。きっかけは、当時、愛用していた京セラ製の携帯電話です。その機種は小さいのが特徴で、オモチャのようなかわいらしい見た目から女子中高生の間で人気でした。ただ、そのような見た目で、メールや電話が相手に届くのは不思議で、いつしか通信技術について学びたいと思うようになりました。
中学卒業後は、釧路工業高等専門学校に入学し、組み合わせを最適化するのに活用する計算手法「グラフ理論」について研究しました。通信技術をはじめ多様な分野に応用できる理論で、その応用法を学ぶため電気通信大学の大学院に進学。通信工学について研究し、修士を修了しました。
そして、憧れの京セラへ入社しました。研究経験を生かし、入社後は一貫して、仮想発電所(VPP)システムの制御アルゴリズム開発に携わっています。全国に分散する大量の蓄電池をIoT(モノのインターネット)技術で一括制御するシステムで、再生可能エネルギー電力の普及に不可欠な技術です。制御アルゴリズムは需要電力予測情報などを基に開発します。蓄電池所有者と全体の電力網、どちらにとっても最適な充放電を実現するアルゴリズムの開発は難しく、日々奮闘しています。
入社5年目の頃、初めてプロジェクトリーダーを任された仕事は苦労しました。ただ、チームの上司や先輩が優しく、必要に応じてアドバイスや励ましの声をかけてくれました。私も、困っている後輩がいたら、積極的に相談に乗るようにしています。今の目標は、VPPの早期商用化です。お客さまの笑顔が早く見られるよう、開発を進めています。週2でベリーダンス教室に通っていて、踊りで日々の疲れとストレスを発散しています。(文=京都・小野太雅、写真=高山基成)
◇京セラ みなとみらいリサーチセンター 先進技術研究所 スマートエナジーシステムラボ 第2システム研究課 中垣和歌(なかがき・のどか)さん
(2023/10/23 05:00)