ダイヘン、初のアーク溶接用協働ロボ投入 移設容易なコンパクト形状

(2023/10/31 05:00)

  • ダイヘンの協働ロボット「FD―VC4」。多品種少量生産や大型構造物向けに提案する

ダイヘンは協働ロボット市場に本格参入する。業界として初めてアーク溶接に最適な協働ロボットを製品化し、発売した。自動車業界向けなどのアーク溶接ロボットでトップメーカーのノウハウを生かし、移設が容易なコンパクト形状で、高品質な溶接を実現できる。多品種少量生産や、船舶・橋梁など大型構造物の生産現場の自動化で提案する。六甲事業所(神戸市東灘区)で生産を開始し、世界販売で年600台を目指す。

協働ロボットはここ数年で多くのロボットメーカーが参入し、競争が激化している。ダイヘンは得意とするアーク溶接向けから投入し、ハンドリング用途の協働ロボットも2024年度中に投入する計画だ。

今回の協働ロボット「FD―VC4」は、金属のアーム、ボディーで耐熱性や剛性を高め、独自の制御技術で直線・円弧の軌跡精度は産業用溶接ロボットと同レベルという。アームの振動抑制で溶接欠陥も起こりにくい。安全柵は不要だが、安全設計のため動作スピードは産業用よりも遅い。価格は消費税抜きで490万円に設定。

またTIG溶接など高周波ノイズが発生する溶接にも耐ノイズ性を高めた。手首の可搬質量は4キログラムで、幅広い溶接トーチに対応できる。ダイヘンが保有するすべての溶接法や溶接アプリケーションに適用。タブレット端末の写真撮影で、簡易に教示プログラムを自動生成するシステムなどにも連動させた。

協働ロボットや付属設備を搭載できる専用台車、可動式作業台も別売りで提案する。

ダイヘンは「協働ロボット市場は成長スピードが速い。当社も協働ロボットの製品群を早期に拡充し新市場を開拓する」(神品泰宏執行役員FAロボット事業部長)とする。

富士経済(東京都中央区)は、協働ロボットの市場規模が27年に22年比約3倍の10万台になると予測する。

(2023/10/31 05:00)

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