福利厚生施設を一般開放 三菱UFJフィナンシャル・グループ、社員参加で地域課題共有

(2023/10/31 12:00)

三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)は東京都西東京市の福利厚生施設を刷新して一般開放した「MUFG PARK」を6月に開設した。約6・2ヘクタールの敷地内に森林やテニスコート、ランニングコースなどのスポーツ・健康増進環境を整備。近隣住民と交流イベントも開くなど地域社会と一体となって健康経営を進める。

  • 芝生広場では地域住民や社員が参加したさまざまなスポーツイベントを開く(イメージ)

樹林地など西東京市の原風景を残したネイチャーエリア、サッカーやラグビーができるグラウンドとテニスコート11面があるスポーツエリアを設置。このほか、寄贈本など1万5000冊を収容できる図書館や芝生広場などのコミュニケーションエリアを用意した。MUFGの亀沢宏規社長は「芝生広場では健康に役立つスポーツ体験、地域と連携したマルシェなど社員も参加しながら多種多様なイベントを開催する」と話す。

こうしたスポーツ設備や環境を生かした地域住民や社員とのコミュニティー形成に向けMUFGパークを居心地の良い場所にするプレース・メーキング活動を2021年度に始め、試行イベントを計20回行った。ストレッチやピラティスなどのスポーツイベントだけでなく地元の有機野菜を使った豆腐作り、ランプの下に集まった昆虫を観察するライトトラップ体験などを社員らが企画したという。

コロナ禍を経て金融業界にもデジタル化の波が押し寄せ、スマートフォン決済事業者らによる新規参入も相次いだ。環境対策、高齢化対策など持続可能社会への貢献も企業に求められる中、銀行が培ってきた信用や信頼力を生かし、顧客や地域の課題を共に解決するプラットフォーマー(基盤者)としての役割が金融機関に不可欠となった。

かつては研修所で「グラウンドでソフトボールをした。感慨深いものがある」(亀沢社長)場所だというMUFGパーク。社員の健康だけでなく地域課題解決に向けた拠点作りという金融機関の新たな役割を示す象徴となりそうだ。

(2023/10/31 12:00)

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