(2023/11/10 05:00)
今や生成人工知能(AI)で中心的存在の米オープンAI。その初の開発者イベントが6日に開かれた。
大規模言語モデル(LLM)の機能を拡張・高速化・低コスト化した「GPT―4ターボ」はともかく、個人的により気になったのは「アシスタントAPI(ベータ版)」と「GPTs」。「AIエージェントへの第1歩」とサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)は基調講演で胸を張った。
前者は自然な音声で人と対話しつつ、さまざまな作業をこなす複数のアプリを連携させ、より複雑なアクションを計画・実行する。まさにSF映画に登場するAIのような感じ。
後者は専門知識や使用説明書ごとにカスタム版のチャットGPTをユーザーが手軽に作れる。日本の企業や研究機関がLLM構築に躍起になる中、さらに先を行く姿に軽い衝撃を覚えた。
パートナーであるマイクロソフトのナデラCEOには汎用人工知能(AGI)構築へ協調して突き進むことを確約してみせたアルトマン氏。一方で人型ロボットを開発するノルウェー企業にも同社は出資済みで、現実世界を知覚して動作するロボットや自動運転車に自ら生成AIを広げていく戦略かもしれない。
(2023/11/10 05:00)