住友重機械工業、多様性対応に専任組織 対話重ね当事者意識醸成

(2023/11/22 12:00)

住友重機械工業におけるダイバーシティー(多様性)の取り組みは2015年7月に本格始動した。最初は生産現場の女性従業員4人によるワーキンググループ(作業部会)としてスタート。現在は本社の専任組織「組織開発グループ」へと発展し、メンバーは計9人に拡大した。

  • 社員一人ひとりが当事者意識を持ち、対話に参加する

16年に「住友重機械グループダイバーシティ推進宣言」を打ち出し、まず進めたのが女性の活躍推進だった。管理職に占める女性数の倍増や、新卒者採用における女性比率20%以上などの目標を掲げた。「新卒者採用の女性比率は23年卒で18・1%。スムーズとはいえないが、着実に前進している」と組織開発グループの信太朱里グループ長は話す。

社内の女性比率が低いと意思決定層への女性の参画も必然的に少なくなり、女性が活躍できる職場づくりの手本もないといった悪循環に陥りやすい。そこで企業の女性リーダー育成を目的としたNPOに参画、外部情報の入手を図った。若手女性社員とその上司の間で、定期的に育成状況を確認する人事面談も行った。

男性や上司の理解も欠かせない。住重単体ベースで、22年度の男性社員の育児休業取得率は93・7%。社内報や社内ネットで育休を取得した男性の体験談などの情報を流し、対象社員に制度の案内や育休取得意思の確認も行った。育休取得状況は上司の人事評価にも反映させ、制度があっても活用されない「空洞化」を防いでいる。

  • 外国人実習生を交えたミーティングの様子

組織開発活動「プライドプロジェクト」もスタートさせている。良い組織づくりには「自分たちの組織は自分たちで良くしていく」という社員一人ひとりの当事者意識が欠かせない。職場のメンバーを5―10人のグループに分け、現状がどうで今後どうしたいか、何が必要と考えているかなどを、ひざを突き合わせて議論する。

人数を絞るのは「会議で一言も発言しない人が出るのを防ぐため」(信太グループ長)。メンバーに必ず1回は自分の意見を発言させ、イメージを共有するように努めている。対話集会は工場の職長や組長がそれぞれのメンバーの声を聞くチャンスにもなる。

(2023/11/22 12:00)

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