(2023/11/30 05:00)
29日に開幕した「2023国際ロボット展」は、ロボットが活躍する舞台の広がりを感じさせた。人工知能(AI)や高精度センサーで進化を遂げた製造業向けロボットは、困難だった複雑な組み立て加工や連続作業を実演してみせる。ユーザーの裾野拡大を受け、食品や医療向けロボット、協働ロボットの展示も目立つ。さらなる普及拡大に向け、各社が最新の製品や技術で提案する。(総合1参照)
【安川電機】
安川電機は次世代モノづくりソリューションを訴求。メーン展示では、生産手順などが異なる複数製品について段取り替えをしながら完成品に仕上げるデモを実施。製品にカバーを組み付ける工程では自走ロボットが柔軟に動き、他のロボットをフォローするといった光景が見られた。多品種・小ロットなどに適応した次世代の生産ラインの一端を示す。
【ファナック】
ファナックは2024年1月に投入予定の重可搬ロボット「M―950iA/500」を初披露。会場では車のサイドパネルを搬送する工程を実演。可搬質量500キログラムの重可搬ロボットでありながら、上方にパネルを持ち上げる器用さも備えており、干渉領域の小ささを紹介した。山口賢治社長は「電気自動車(EV)の生産にも対応できる」とする。
【不二越】
不二越は6軸多関節ロボットを用いた電機・電子向けの自動搬送・組み立てラインを実演展示する。新製品の「MZ12W」は独自の軸構造により、従来の垂直多関節ロボットが苦手としていた、ラックからの基板搬送などの作業を狭いスペースでもスムーズに行える。水平多関節ロボットよりも汎用性に優れる点も強みだ。
【芝浦機械】
芝浦機械は片腕7軸(両腕14軸)、腰2軸の計16軸の「ヒト型」双腕協働ロボットを展示。可搬質量は両腕で10キログラム。自動車のバンパーを持ち上げて他のロボットとバリ取り作業をした後、右腕の照明と左腕のカメラによる外観検査までを実演した。「人と同じ作業スペースでインライン検査ができる」(矢部幸次プロジェクトリーダー)。
【川崎重工業】
川崎重工業とシスメックスが共同出資するメディカロイド(神戸市中央区)は手術支援ロボット「ヒノトリ」による模擬腹腔鏡下手術を実演。会場ではロボットを操作するコックピットを2台設置。手術場所と遠隔地をネットワークでつないだ想定で、遠隔地のコックピットから実際の手術を支援するデモンストレーションも披露した。
【パナソニック】
(2023/11/30 05:00)