(2023/12/6 12:00)
富士プレス(愛知県大府市 高羽直樹社長)は、60歳の定年後に再雇用した嘱託社員の処遇を刷新した。これまで一律だった給料を意欲やパフォーマンスも考慮して変えるようにした。嘱託社員も働きがいやワークライフバランス(仕事と生活の調和)を重視して働ける環境を整え、多様な人材が満足感を得られる職場にする。
変更前、再雇用によって嘱託社員になると、それまでの職位に応じて給料が決まっており、元管理職か元一般社員の2通りが基準だった。
変更後は職位を継続した人、管理監督者で裁量権のある基幹的業務の従事者、専門職、一般事務などに応じて給料が変わる。上司が提案し、本人の希望を聞いて決める。
執行役員を務める山口浩一コーポレート本部本部長は「以前は意欲やパフォーマンスと処遇がマッチしない人がいた。新制度は意欲やパフォーマンスと処遇を一致させ、より柔軟な働き方ができるように改善する」と狙いを語る。現在の嘱託社員は25人。契約更新のタイミングで新制度への切り替えを始めている。「処遇が下がった人もいるが、事前に説明して話し合っており、納得してもらっている。高い意欲を持つ人には処遇が上がるチャンス」(山口本部長)とメリットを語る。
身体、知的、精神の障がい者雇用にも積極的だ。法定雇用率から算定すると6人の雇用が必要だが、2倍の12人が働く。雇用率未達だった2018年、社会的責任を感じて就職説明会に積極的に参加。働く意欲が高い求職者に出会い、多くの採用を決めた。就労に向けては専門家から助言を受け、所属長とも共有し職場での理解を促進している。ついつい周囲の従業員が精神障がい者であることを忘れて接し、障がい者が落ち込むなどして退社してしまう事態を防ぐ。
12人の障がい者は主にプレス機で製造した部品の検査、取引先や仕入れ先への発送業務、生産管理、CADオペレーターを担当する。そのうち3人が勤務する北九州製作所(北九州市八幡西区)は、障がいのある人も働きやすい職場として評価され、行政から求職者を紹介される機会が増えた。山口本部長は「将来はユニバーサルデザインに対応した事務所に改装し、下肢に障がいがある人も採用したい」と意欲的だ。
(2023/12/6 12:00)
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