(2023/12/6 12:00)
三田電気工業(神戸市西区、中村哲哉社長)は、プラスチックや電気絶縁物などの精密切削加工を得意とする。半導体製造装置関連や電力会社、車両向けなど幅広い分野に精度の高い樹脂製品を提供。成形品の試作から量産まで顧客の要望に納期厳守で対応するのがモットーだ。顧客第一を理念とするモノづくりについて中村社長に聞いた。
―技術向上と差別化が重要です。
「“略奪営業の禁止”を掲げている。ただ単に価格競争の土俵で他社と戦うのではなく、強みを生かした提案型営業に力を注ぐということだ。従業員には技術力を売り込むことが重要だと常に伝えており、BツーB(企業間)の事業形態ではあるが、BツーC(対消費者)の気持ちで業務に取り組むようにベクトルを合わせている。例えば取引先の組み立て作業員がけがをしないように樹脂加工品には糸面取りを施すなど、ひと手間かけている。こうしたちょっとした気配りがユーザーフレンドリーにつながっており、これが当社のモノづくりのポリシーである」
―技術の強みは。
「旋盤やマシニングセンター(MC)などオークマ製工作機械を中心とした最新鋭設備を積極的に導入し、技術力を高めてきた。設備の数値制御(NC)化は業界でも先駆けだと自負している。過剰品質だという声もあったが、やり続けてきた。その結果、一般的な樹脂加工の寸法精度がプラスマイナス0・05ミリメートル程度であるのに対し、当社では同0・01ミリメートルを実現しており、今では『難しい加工は三田電気へ』という評価が広がってきている」
―技術向上には人材育成も欠かせません。
「当社では現場の従業員全員がGコードで工作機械をプログラミングできるように、教育を施している。2年程度の時間をかけてじっくり人材育成することで、一つの製品を最後まで自分一人で完結できる技能を身に付けさせるのが狙いだ。プログラムを組んでいる間、機械設備がストップするため稼働率が低下してしまうが、他社との違いを明確化し当社の強みとするためには重要な取り組みだと考えている。精密切削加工をブラッシュアップするためには欠かせない取り組みだ」
(2023/12/6 12:00)
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