産業春秋/円安で明暗が分かれる

(2023/12/7 05:00)

円安が明暗を分けているようだ。円の割安感も手伝ってインバウンド(訪日外国人)が増えている一方、日本人の年末年始の海外旅行者数は円安で回復が遅れているという。

JTBによると、年末年始(23日から2024年1月3日)の日本人の海外旅行者数は約58万人と、前年度比では2・6倍に達すると見通す。だがコロナ禍前の19年度比では30%減と、7割しか戻っていない。円安と一部地域の情勢不安定が背景にあると分析する。

日本政府観光局の推計では10月の訪日外国人観光客は251万6500人に達し、19年同月比では0・8%増。単月ベースで初めてコロナ禍前の水準を上回っている。経済活動の正常化と為替の円安基調が外国人を日本に向かわせた。

19年の円ドル相場は年平均で1ドル=109円。足元の相場は同147円台で、38円も円安が進行した。日本にとっては輸入物価が上昇し、海外での購買力低下につながっている。

帝国データバンクによると冬季賞与が「増加する(した)」企業は全体の24・1%で、前年の21・2%を上回った。だが、この程度では海外旅行者数をコロナ禍前に戻せないようだ。金融政策の正常化による過度な円安是正が待たれる。

(2023/12/7 05:00)

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