(2023/12/8 05:00)
「リアルの場を体験することが最も効果的だ」。情報サービス産業協会の松田信之人材委員長は、群馬県で実施したトップITアスリート育成プログラムに手応えを感じている。
プログラムは会員社から15人が3カ月間、県に入り込み政策課題の解決策をITで示す研修。5チームに分かれ、うち閑散時間帯の遊休タクシーを活用した移動サブスクリプションサービスの提案が優秀と認められた。
群馬県は世帯当たりの自動車保有台数が全国で4位。県民にとってクルマは“げた”などとも言われ、生活の足になっている。しかし高齢者の免許返納が増え、移動手段の確保が課題となっている。
各チームはこうした課題を自らの目・耳・足で探し解を示した。「課題を探索しソリューションを提案するプロセスの一つひとつが学びになった」という。それまで参加者の業務は、与えられた仕様に基づきシステムを提供するものだった。
IT技術者は至る所で不足している。ただ定常的な業務が人工知能(AI)に置き換わっていく中、より求められるのはプロジェクトをけん引する人材。プログラムは2024年度も継続し、参加企業から群馬県に出向して課題解決を具現化していく。
(2023/12/8 05:00)