大学生にモノづくりの面白さを 中央製作所社長・後藤邦之氏に聞く

(2023/12/13 12:00)

中央製作所は各種電源装置、表面処理装置、電気抵抗溶接機などを産業界の幅広い分野に供給している。顧客の要望にきめ細かく対応して作り込む製品づくりが特徴で、7割以上がオーダーメードという開発型企業だ。後藤邦之社長は長年蓄えた技術、ノウハウなど「知の蓄積」を活用し、高付加価値な製品づくりを推進する。

―事業環境をどう見ていますか。

「主要顧客の自動車関連では車部品のメッキ加工向けなどに表面処理装置、電源装置を供給してきた。ただ、自動車関連の設備動向として、電動車の普及拡大に伴い、将来これらの装置の需要は減っていくだろう。一方で、半導体分野は設備需要が出始めている。半導体製造工程向けを主なターゲットに受注機会をとらえたい」

―パナソニックコネクト(東京都中央区)と抵抗溶接機でアライアンス(連携)を組みました。目的は。

「パナソニックコネクト子会社のパナソニックFSエンジニアリング(同港区)を通じて、当社ブランドの抵抗溶接機を供給する内容だ。抵抗溶接機の国内シェアでいうと、当社は3位から4位という位置にあり、ある程度のスケールメリットを追うことが必要と判断した」

―大学に出向いて、モノづくりの面白さを伝える講義を行っています。

「将来のモノづくりを担う人材の育成の一助になれば、という思いで取り組んでいる。社員が講師になり、BツーB(企業間)に対するイメージが湧かない学生に向けて、当社製品を用いた製造現場の動画を使いながらモノづくりの最前線の話題を紹介している。交流のある教授らの協力を得て、講義を行う大学が増えている。地元の愛知県内の大学だけでなく、東京地区の大学でも始めている」

―自社のモノづくりをどう発展させますか。

「80年を超える社業の歴史の中で蓄えてきたモノづくりの知見、ノウハウをデジタル技術で蓄積し、活用していきたい。暗黙知だった知識を情報化することで、社内で共有しやすくなる。製品の保守、修理対応では顧客から高い評価を得ているが、ITを活用することで予防保全、故障予知に発展させるなど高度化につなげていきたい」

(2023/12/13 12:00)

総合1のニュース一覧

おすすめコンテンツ

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

GD&T(幾何公差設計法)活用術

GD&T(幾何公差設計法)活用術

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン