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(2023/12/18 05:00)
脱炭素!仕事にやりがい
(総合1から続く)中国・深センで両親が理系の家で育ち、自然に理系を選びました。日本文化に興味を持ち、2014年に早稲田大学創造理工学部社会環境工学科に入学しました。
大学や大学院(早大院創造理工学研究科建設工学専攻)では、橋梁(きょうりょう)の鋼構造材料の耐荷力について研究しました。実験結果を学会で発表し、技術者とも交流を持て、大学院を修了後も日本にそのまま住むことに迷いはありませんでした。就職活動では、インターンシップ(就業体験)に参加したIHIだけ選考を受けました。ユニークな人材がいたので、ここで働きたいと感じました。
21年に入社し、コンクリートを研究しています。材料の評価や製造方法について広範囲に取り組んでいます。大学・大学院で培った論理的な思考方法が生きています。
4月に発表した「セメノン」(建設新材料ジオポリマーコンクリート)には、チームリーダーの指導を受けて開発に参加しました。共同開発したグループ会社IHI建材工業に次世代コンクリートのニーズを聞き、材料の比率を研究しました。セメノンは二酸化炭素(CO2)を多く排出するセメントを使わないので、CO2排出量を最大約80%削減できます。
脱炭素に貢献できる新材料を開発できたので、仕事にやりがいを感じています。これからはゴミを混ぜるなど環境に配慮したコンクリートを開発したいです。
土木系は男性が多い分野ですが、IHIは男女を公平に扱い、チャレンジさせてくれます。「IHIのコンクリートレディ」と呼ばれるようになりたいです。
ダンススクールに通っています。座って仕事するのがほとんどなので、体を動かすことで頭を働かせています。(文=戸村智幸、写真=冨家邦裕)
◇IHI 技術開発本部技術基盤センター材料・構造グループ 聶菁(じょう・せい)さん
(2023/12/18 05:00)