(2024/1/12 17:00)
日本製鉄は12日、今井正副社長(60)が4月1日付で社長に昇格する人事を発表した。橋本英二社長(68)は代表権のある会長に就く。今井氏は合併前の旧新日本製鉄出身では初の技術系トップとなる。鉄鋼の脱炭素化が最重要課題となる中、水素還元技術や大型電炉化で世界をリードする決意を内外に示す。
橋本氏は鋼材内需の先細りから4基の高炉休止で余剰の生産能力を削減する一方、世界的にみて低いとされる大口顧客向け「ひも付き価格」の水準を引き上げ、収益建て直しにめどを付けた。今後も課題が多い米USスチールの買収の実現を図り、グローバル展開を進める考えだ。
技術系トップは、2012年の合併時に旧住友金属工業社長から就いた友野宏氏に次いで2人目で、旧新日鉄出身では初となる。今井氏は鉄鋼技術で本流とされる冶金(金属)を東京大学で専攻した。
入社後はトヨタ自動車のおひざ元の名古屋製鉄所に勤務。その後名古屋製鉄所長を務め、理系で異例の経営企画担当を経験。過剰な粗鋼生産能力については全国に15あった高炉を10程度まで縮小すべく、橋本社長の右腕として各製鉄所を回って生産性や収益力を精査した。
【略歴】88年(平63)東大院金属工学研究科修士修了、同年新日本製鉄(現日本製鉄)入社。97年マサチューセッツ工科大博士修了、16年執行役員名古屋製鉄所長、19年常務執行役員、20年常務取締役、23年代表取締役副社長。岡山県出身。
(2024/1/12 17:00)
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