(2024/1/16 12:00)
西濃シェンカー(東京都品川区、王秀薇〈オン・シュウウェイ〉社長)は、2022年に東京本社と東京支店(東京都品川区)のオフィス、23年に芝山オペレーションセンター(千葉県芝山町)の全面リノベーションを行った。固定席を用意しないフリーアドレス制や、パーテーションの廃止でコミュニケーションを取りやすくするなどの業務効率化が狙いだ。社員の心身の幸福(ウェルビーイング)を守る観点も取り入れている。
「4―5年前から、オフィスの老朽化や社員数の増加に対応するため、リノベーションを考えていた」と塩田尋之執行役員は話す。コロナ禍で当初の計画は先延ばしになったが、コロナ禍後の新しい働き方やコミュニケーション方法を取り入れたリノベーションを実行した。座席のフリーアドレスを手始めに、IT機器も刷新した。
パーテーションを廃止し、オフィスの真ん中にソファを用意した。部門の垣根を越え、ちょっとした話し合いなどが盛んに行われている。社員が業務に応じて働く場所を選ぶ、アクティビティー・ベースド・ワーキング(ABW)を導入したオフィスへと転換した。
さらに部長席や役員、社長の個室も廃止。その結果、若手社員がフラットに話しかけられる「より開けた環境になり、評判も良い」(塩田執行役員)という。フロアごとに設けた集中スペースは吸音機能があり、アロマも効いた空間だ。個人ブースやウェブ会議用個室、1on1(ワンオンワン)向けの会議室などを用意しているが「すぐに予約が埋まってしまう人気スポット」(塩田執行役員)だ。
全体的なデザインも意識し、配色に出資先の一つである独DBシェンカーのカンパニーカラーを採用した。またオフィス内の至る所に、観葉植物を配置。社員にとって心身の幸福が保てるウェルビーイングな環境も作り上げた。
リノベーションは、担当者による昨今のオフィスのトレンドリサーチと合わせ、何度も社員にオフィスの満足度調査などアンケートを取り、意見をふんだんに取り入れている。当初一部の社員から「固定席がなくなると物を置く場所がない」などの反対意見もあった。しかし、個人ロッカーに入る分のみに荷物を整理するなどといった工夫をしたことで、ペーパーレス化の推進という成果も得られた。
また、フリーアドレスでありながら席が固定してしまう問題の解決に向けて「シャッフルフライデー」と呼ばれる取り組みを8月から開始。決まった金曜日に、いつもと違う座席に座るようにし、積極的な交流に結びつけるよう促している。
今回のリノベーションでは業務の効率化やABWはもちろん、特に若手社員の働きやすさを重視した。本社オフィスには毎日約7割の社員が出社しており「オフィスが社員にとってワクワクするような場所であれば」(同)と期待を込める。また、23年末までに沖縄支店もリノベーション済み。今後他の支店にも、必要に応じたリノベーションの拡大を検討中だ。
(2024/1/16 12:00)
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