(2024/1/16 17:00)
国土交通省は16日、ダイハツ工業が型式の認証試験で不正を行っていた問題で、特に悪質な3車種について道路運送車両法の規定に基づき量産に必要な認証である「型式指定」を取り消す手続きに入った。23日にダイハツに対して聴聞を行い、その結果を踏まえ取り消し処分を行う。また、不正行為を二度と起こさせないための抜本的な改革を促すため、斉藤鉄夫国交相は16日、ダイハツの奥平総一郎社長を呼び、是正命令を手交した。
型式指定の取り消し対象は、ダイハツのインドネシア工場で生産している商用車「グランマックス」とOEM(相手先ブランド)供給しているトヨタ自動車の「タウンエース」、同マツダの「ボンゴ」の3車種6型式。
エアバッグの作動試験で、本来は衝突センサーが検知してエアバッグを作動させるべきところをタイマーで作動させていた。斉藤国交相は「自動車認証制度の根幹を揺るがし、日本の製造業の信頼性に関わる大きな問題」とした。
ダイハツは国内で生産する全車種の出荷を停止している。インドネシアとマレーシア工場は2023年末に出荷を再開したが、インドネシアで生産していた今回の3車種は新たに認証を取り直さない限り生産できない。ただ、ユーザーが所有している車はそのまま使用できる。国交省は不正が確認された車種について道路運送車両法に基づく確認試験を実施しており、今回の3車種についても確認試験で不具合が確認されれば同社にリコールなどを課しユーザーの安全を確保する。
ダイハツは22年度にグランマックスをインドネシアで6万7834台生産し、生産累計数は直近データの23年3月時点で92万7990台となっている。タウンエースは販路が異なる「ライトエース」も含め、22年度に同国で2万8381台生産した。「ボンゴ」の22年度の同国生産は2100台。
(2024/1/16 17:00)
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