(2024/1/26 05:00)
第213通常国会が26日召集される。自民党派閥の政治資金問題や能登半島地震の被災者支援と復旧・復興、さらにデフレ脱却をはじめとする経済問題が主要な論点となる。政権にとって先送りできない重要課題が並ぶ。政治の信頼を回復し、長期化が想定される能登半島地震の被災地復興に確かな道筋を付けてもらいたい。岸田文雄政権が千載一遇のチャンスとするデフレ脱却も果たし、日本の政治経済は新たな局面に移行したい。
自民党は25日、政治資金パーティーの禁止などを盛り込んだ政治改革の中間取りまとめを了承した。だが安倍派幹部議員らの説明責任などの課題を残す。組織的とされる裏金作りの実態を明らかにし、政治改革のスタートラインに立てるかが今国会の焦点になる。与野党が協議する政治資金規正法の改正は、再発防止を担保した有効な施策にまとめ、国民の政治不信を拭う改革を進めてもらいたい。
能登半島地震の被災者支援が待ったなしだ。ホテル・旅館などへの2次避難が進まず、災害関連死の増加が懸念される。政府は支援パッケージをまとめ、23年度予算の予備費で住宅再建やインフラ復旧、さらに中小企業支援と観光需要喚起に動く。今国会では予備費1兆円を盛り込んだ24年度当初予算案が審議される。被災者に寄り添う機動的な財政出動を講じ、早期の復旧・復興に全力を尽くしたい。
24年度当初予算案と税制改正はデフレ脱却に向け、1人4万円の定額減税や賃上げ促進税制の延長・拡充、医療・介護従事者の報酬引き上げを実施する。経済安全保障も強化し、半導体など重要物資の国内生産量に応じた税額控除が適用される。意欲的な増産に期待したい。
経済安保上の機密情報にアクセスできる人物を認定する適性評価制度の新設も審議される。先進7カ国(G7)では日本だけが導入しておらず、国際共同開発で不利とされた。新制度では民間企業の従業員も資格が必要で、政府が身辺調査も行う。従業員のプライバシー保護を前提に、先端技術の国際共同開発で日本の存在感を高めたい。
(2024/1/26 05:00)