産業春秋/能登と羽田、責任追及より原因究明を

(2024/2/14 05:00)

「責任追及よりも原因究明」。能登半島地震と羽田空港衝突事故。くしくも、それぞれの関係者から同じ言葉が発せられた。

能登半島地震では初動の遅れを指摘する声が上がった。日本災害復興学会顧問の室崎益輝神戸大学名誉教授は「被災は責任として受け止めなければならない」とした上で「再発防止の観点から社会の弱点や防災体制の欠陥を洗い出し、直ちに改善・解消に取り組まなければいけない」と指摘する。

現役パイロットと管制官で組織する航空安全推進連絡会議は「航空機事故においては、刑事罰が目的の刑事捜査よりも再発防止に必要な事故調査が優先されるべきだ」と提言。個人の処罰は真実が隠蔽(いんぺい)される恐れがあり、原因究明の妨げになると考える。

発言は日本記者クラブの別々の会見でなされた。室崎教授の視点は「明日の命をどう救うか」にある。航空安全推進連絡会議は、徹底した原因究明により未然・予測防止型の包括的な対策の構築が必須とする。

災害・事故の悲劇を繰り返してはならない。発言にはそうした思いが込められている。翻って自民党の裏金問題。責任の追及も実態解明も不十分なまま、再発防止を試みる点にそもそも無理がある。

(2024/2/14 05:00)

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