(2024/2/19 05:00)
日本とウクライナの官民が、ウクライナの復旧・復興を話し合う会議を19日に都内で開く。地雷対策をはじめ、生活再建や農業支援、電力・通信網のインフラ復旧などについて、日本が官民で貢献できる施策で複数の合意文書を交わす。ロシアがウクライナに侵攻して24日で2年となり、米欧の「支援疲れ」が懸念されている。日本がこのタイミングでウクライナ支援の強化策を世界に発信する意味は大きく、米欧に支援継続に向けた結束をあらためて訴えたい。
「日ウクライナ経済復興推進会議」には岸田文雄首相とシュミハリ首相をはじめ、両国の政府・企業関係者ら約300人が出席。ゼレンスキー大統領はビデオメッセージを寄せる。日本は武器輸出に制約があり、復旧・復興や人道支援でウクライナを支える。戦後・震災復興の経験などを生かし、日本ならではの支援を長期的に継続したい。
現在、ウクライナへの渡航制限は危険度が最も高いレベル4の「退避勧告」。復旧・復興に携わる日系企業の関係者に限り特例的に渡航制限を緩和する方針で、安全確保を前提に復旧・復興の作業を円滑に進めたい。
日本側は7分野でウクライナ支援を表明する予定だ。①地雷対策・がれき処理②人道状況の改善・生活再建③農業発展④バイオ⑤デジタル・IT⑥電力・インフラ⑦汚職対策・ガバナンス(統治)。日本政府は、地雷対策などに緊急復旧支援として158億円を無償供与することも決めた。国土の3割が地雷などの爆発物の対象区域とされ、日本は長期にわたり除去作業の支援を継続する必要がある。
米欧のウクライナ支援疲れが懸念される。中でも米国は共和党の反対により、ウクライナ支援を盛り込んだ緊急予算案が議会を通らない。大統領選を見据えたトランプ氏に共和党が同調しているためで、同氏再選となればウクライナ支援も途絶えかねない。武力による現状変更が実現するようなことになれば台湾統一を掲げる中国に誤ったメッセージを送ることにもなる。11月の米大統領選では有権者が適切な判断を下してほしい。
(2024/2/19 05:00)
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